塾講師の独り言

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教え子が同僚になった話

おはようございます。

このブログは、毎週日曜・月曜日に、塾講師の日々の生活や料理について投稿をしていきます。

今日は、教え子が同僚になった話についてまとめていきます。

ブログのプロフィールにも載せているように、私が塾講師を初めて4年が経過し、現在5年目に入りました。初めて受験指導をした中3生が就職をしたり、高校受験をして大学生1年生となりました。

そんな中、今週1人の元ゼミ生が塾に顔を出してくれました。その子は忘れもしません。中学3年生の1学期に入塾した、数学が全くできない女の子でした。

当時はピアノの先生になることが夢で、ピアノ漬けの毎日をおくっていた子でした。そのため勉強は二の次であり、高校に進学できないと困ると保護者様が入塾相談に来てくださいました。

塾に入りたての頃、その子はピアノに夢中で、私も仕事に慣れておらず、中々懐に入れず、受験を意識した指導ができなかったです。入塾して初めて持ってきた1学期期末の数学のテストの点数は37点でした。まったく数学ができなかったことを考えると、彼女の中では大きな成果でしたが、平均点が50点程だったので、お世辞にも点数が良いとは言えない結果でした。

そんな中、彼女に転機が訪れます。夏休み前の生徒面談で、夏休みは苦手にしている数学のみ勉強するようにアドバイスをしました。今考えてみると、受験生にとって大事な長期休暇を数学しかやらせなかったのは、一年目だからこそ決断できたアドバイスであり、今では絶対にそんなことは言えません…

しかし、彼女にとって、この決断が大きな結果につながりました。夏休みが始まって一週間は、全く問題が解けず、小学生内容の割合や早さの計算にも一苦労でした。幸いなことに、ピアノで培った集中力は本物だったので、辛抱強く私の指導についてきてくれました。そのおかげもあり、夏休み後半では、明らかに筆の進み方が変わり、質問の内容も変化してきました。

「先生ー、〇〇がわかりませーん。」

「先生ー、〇〇って何ですか?」

「先生、この計算式のどこが間違っているか見てー)

「先生、この問題は〇〇までできたけど、この先がわからない。△△の方法で進めていけば良いですか?」

ざっくりとですが、彼女から受けた質問を、並べてみました。この4つの質問が、およそ夏休みの第1週〜第4週までの質問パターンでした。明らかに、質問のレベルが上がっていました。まったくわからない旨の質問が多かった第1週と比べて、夏休み最終週には、自分の思考を表現し、方法知についてまで言及ができるようになっていました。

テストを受ける前から点数が上がることは確信していました。自信を持ってテストに臨めと伝え、送り出しました。すると、夏休みが明けて2学期に実施された学校の復習テスト(夏休み明けにある総合テストの)の数学では、なんと78点をとり、40点も点数を上げていたのです!

テストを持ち帰ってきた彼女の顔を今でも忘れません。とても喜んで結果を報告してくれました。学校の先生がカンニングを疑ったくらい出来すぎていると褒めてくださったそうです(笑)

とはいえ、夏休み数学しかやっていなかったので、総合点数でみるとやはり結果は真ん中より下でした。他教科は40点程だったかと思います。当たり前です。私がやらせていないのですから。

彼女の凄いところはここからだったのです。

 

「勉強の仕方がわかった」

 

この言葉はいつ思い出しても嬉しい響きです。夏休み明けから他教科の勉強を解禁した彼女は、メキメキと成績を上げました。受験に備え、ピアノにかけた集中力を勉強に投じました。結果として、夏休み明けから偏差値を10〜15程あげ、なんとか中堅の公立高校に合格させてあげることができました。

前置きがとても長くなりましたね。

そんな子が大学1年生となり、帰ってきました。塾に来るなり一言

「塾講師のバイトがしたいです」

話を聞くと、彼女は現在学校の音楽の先生を目指しているとのことでした。最も得意な教科は社会だそうですが、大学も理系進学をして、数学は比較的得意と言っていました。

塾業界は常に人手不足なので、早速面接を行いました。さすがに顔馴染みが多いため、うちの校舎ではお願いしませんでしたが、無事9月からは他校舎で研修が始まるそうです。

一緒に組んでいる文系担当の先生から、教え子がバイトしたいと戻ってきたり、なんなら就職して他校舎の担当職員になっているという話は聞いていましたが、今週やっと実感が持てました。そして、なんとも複雑な気持ちになりました。

来月・再来月からは彼女とは同僚になります。今私が抱えている気持ちの1つは、成長を目の前で感じられた喜びです。大学の同期には学校の先生が多く、話の中で生徒の就職報告等を聞くことがあると言っていましたが、同じ会社の仲間として成長した姿が見られるのは、学校の先生には無い塾講師の特権です。

まだまだ彼女の活躍ぶりを聴くのは先になると思いますが、楽しみで仕方がないです。オチの無い話でしたが、今後、彼女の仕事ぶりが耳に入った際には、またブログに載せていこうかと思います。

ではまた。