塾講師の独り言

塾講師・塾に興味のある学生さんに日々の生活、簡単野郎飯を紹介!

2学期が始まり、入塾・退会相談のピークです

2学期が始まり、どの塾様も、入会・退会の多くなる時期ですね。

本日は、入れ替わりの激しい時期だからこそ心に留めておく必要がある

生徒・保護者対応について、今週あった事例を踏まえて書きたいと思います。

 

①入会相談 中・上位層で夏期講習を受講してくれた一般生

私の所属する塾は、中・上位層を主にターゲットとしており

高校入試に特化した集団塾です。そのため、夏期講習中に入会いただく中3生は

学年1位~20位以内の生徒が非常に多いです。

とはいえ、学年1桁の生徒を入会させることは骨の折れる仕事で、既に自分の中で

学習方法が確立しているため、なかなか入塾までこぎつけることが困難です。

夏期講習中に毎日生徒面談を実施して、全体の6割が講習中に入ってくれますが

残り4割は、夏期講習受講者対象に行う保護者懇談で刈り取ります。

講習期間中には入塾に至らないものの、2学期以降に改めて保護者懇談を通して

入塾していただける中・上位層の生徒は、以下の傾向があります。

・学校の授業内容は概ね理解している。

・(漠然とした)大学・就職計画がある。

・部活や生徒会の中心人物である。

・友人が既に入塾している。

・クラスが荒れている。

・講習はしっかりと受講する姿勢を見せている

ここで1つ問題です。この項目に当てはまるような生徒はどんな性格でしょうか。

ぱっと思いつく性格は、一般的に真面目と言われる生徒の印象を受けたでしょうか。

上の項目を満たす生徒はただ真面目なだけの生徒ではありません。

ただ真面目なだけの生徒はこの時期には入塾しません。中1・2生の

時期に入っているからです。

正解は「プライドが高く、(親の)言うことを聞かない生徒です。」

このような生徒は面談だけでは入塾に至りません。今まで自分でなんとかしてきたタイプなので、これからも自分で頑張っていきたいんです。

…ここで諦めてはいけません。生徒面談がダメなら保護者懇談です。経験談ですが、成績が良く、プライドが高い子ほど、親はいつ失敗するか不安で心配しています。そこに漬け込む隙があります。

保護者懇談では、夏期講習中にやったテストと2学期明けの学校のテストを見比べて懇談をします。2学期明けのテストは難しく、当然点数も下がります。得点に結びつかなかったか箇所について、夏期講習の内容を振り返りながら丁寧に話し合い、入塾に誘います。

なにか特別な仕掛けをするわけではありませんが、たったこれだけで入塾します。

親の「失敗を経験してほしくない」という気持ちと生徒の「自分で頑張っていきたい」

という気持ちをつなぎ合わせる作業をすれば、入塾につながります。特に、最近の保護者様は、大学全入時代を経て、両親共に大学まで進学をされている場合が多いため、「失敗して欲しくない」という気持ちを尊重することがとても重要です。また、生徒としても「自分で頑張りたい」という気持ちがありつつも、点数が下がってくれば話は別です。

大したまとめではありませんが、中・上位層の生徒の場合には、保護者様の「失敗しないで欲しい」という気持ちを如何に引き出せるかが、入塾のカギになります。

 

②入会相談 中・下位層で、他塾様からの移動

他塾様からの移動もこの時期多くあります。他塾様からの移動は、月謝発生のことを

考慮すると、夏期講習中に刈り取る必要があります。うちの塾では、月謝設定ですが、塾によっては3か月払いや学期ごとの払いをする塾様もあります。ですので、講習だけこちらに来る生徒で、特に夏期講習前までの月謝しか払っていない子を中心に声掛けをしていきます。失礼な言い回しになることを覚悟で書かせていただくと

・個別塾(3対1程度)

・月払いでしっかり月謝設定をしている塾

この2項目さえそろえば入塾にこぎつけます。個別塾の魅力は私も良く知っていますが、成績中・下位層の生徒は3対1の個別塾ではなかなか相手にしてもらえません。

集団塾では、レベル別の一斉授業なため、全員を引き上げますが、個別塾では先生が空いているときにしか質問ができません。個別塾のレベルによりますが、中・下位層の生徒と面談をすると、60分授業の内、質問ができるのはせいぜい2,3問と聞きます。中・上位層の生徒であれば、それでも問題ありませんが、中・下位層の生徒はそんな質問量ではなかなか成績もあがりません。きっちりと面談をし、講習期間中に保護者様に電話をすれば、多くの場合で入塾につながります。

 

 

➂退会相談 中1・2生の退会相談

所属する校舎の特徴の1つに、退会生の少ないことが挙げられます。

校舎の規模が小さく、全学年併せて100名ほどの塾ですが

1学期開始~2学期までの退会生は全学年で0人で、去年も全学年で併せて10名もいない状態でした。特別な退会防止をしているわけではありませんが、幸いなことです。

しかし、そんな中でも新学期始まりたての中1・2生は危険です。

3年生が引退し、部活に専念したい中2生や、新しい学校生活にも慣れ、テストの点数も良好な1年生は特にこの時期中だるみを起こしがちです。

今年は新学期スタートから今現在まで退会相談を受付しておらず、ほっとしています。

中3生の退会相談と異なり、中1・2生の退会相談は、受験をすぐに控えていないからまだ大丈夫という安直な考えの生徒が見られます。授業内容に不満があるわけではないので、退会を防ぐことも可能です。では、実際にどのような施策をするか…

私が実践している退会防止策の1つは、学期末ごとの報告会です。

塾で普段どのような授業をしているか、学力テストを踏まえた校舎の学力レベル、今後の学習の課題について、学期末最後の授業時に、保護者様を交えて報告会をします。1対1で懇談する点との違いは、周りに同じ志をもつ生徒・保護者がいることで競争効果を産み出せることです。この報告会を実施しておくことで、2学期始まりの中だるみ退会を防ぐことができます。

退会防止は入会と異なり、日ごろの種まきがとても重要になると考えています。だからこそ、特別なことはせず、日々の授業を大切にすることが重要ともいえます。

 

ではまた。